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徒然に。イースター島&ボラボラ島旅行記がおすすめ!


by kokoro-rokuro
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人を裁けるのか

Shall we dance?で米ハリウッドにもその名をとどろかせた周防正行監督による最新映画「それでもボクはやってない」。満員電車で女子中学生に痴漢と叫ばれ、現行犯逮捕された26歳フリーターの青年が否認を続け、裁判にかけられる物語です(とはいえ、実話を基にしているらしい)。

人を裁けるのか_f0086492_1435169.jpg


ことし初めての映画を見に行ってきました。お気楽な内容の映画よりも社会派?映画をついつい選んでしまう。裁判官制度が間近に迫り、素人が人を裁かなければならない時代。本当に裁けるんやろうか。。。この映画を見ての素直な感想。


映画では、登場人物の役割が特徴的に描かれています。

痴漢容疑で何人も逮捕されて来るため、ずさんな捜査しかせず、不利になる証拠は出さない警察。被告人の話には耳を傾けず、捜査資料を基に起訴する検察。被告人にだけはだまされまいとする裁判官。

それに「やってないんだ!!!」と必死に訴える被告人とサポート役の弁護士。被告人の家族や友人も出てくる。裁判を傍聴したことがあるが、綿密に再現されていたと思う。



「疑わしきは罰せず。被告人の利益に」

この刑事裁判の大原則は有名無実化しているのではないか。強くそう印象付けられた。警察に捕まれば99.9%が有罪。否認事件に限っても97%ぐらいは有罪という日本。否認すれば拘留され、たとえ無実であっても、毎日お風呂にすら入れない刑務所暮らしが待っている。現代司法の抱える問題点が凝縮されているのではないか。。。

この間も、富山で服役後に無罪であることが判明した事件があったが、恐ろしいことだ。時間は戻らない、いくら補償してくれるとはいえ。。。


この映画は、こういった事件は誰にでも降りかかってくる可能性を示唆してくれる。間違えられることがあるだけでなく、裁かなければならないこともあるかもしれない。痴漢されれば悲惨だろう。痴漢した人は自業自得だが。。。「決して他人事ではない」。


映画については、最後が納得できない。
144分と長い映画であるが、最後だけはがっかりでした。。。
by kokoro-rokuro | 2007-01-28 14:15 | 徒然なるままに